くれない

音楽、美術、アイドル、日常

普遍性 Timelessness

 

 

 

休日に映画を二本見た。「Martin Margiela: In His Own Words マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」と「サマーフィルムにのって」。初めて行ったシネマカリテ。案内のおじさんが感じ良かった。

 

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マルジェラは15時台でほぼ満席。見た感じ流行に敏感そうな、ファッション好きそうな若者が多い印象。

Tabiや四隅の刺繍、騙し絵の印象が強く、前衛的でひねくれた革命児かと思いきや、良い意味で地味で素朴な普通の人だった。真面目で几帳面、語り口は終始穏やか。独りで過ごす時間が好きで、デザインが好き。何か固定概念を覆したい気持ちがある。そういう部分に親近感を抱いて、マルジェラを時の人・特別な人と捉えるのではなく、(もちろんあれ程の優れたものではないですが、我々と)同じような感性を持った人なんだなと感じることができて、とても良かった。シーズンを重ねる毎に鋭く美しさに磨きがかかっていったように思う。勿論美しいとは言い難いもの、凡人には一目では理解し難いルックも多々あるのだけど、そこにはデザイナーの意図があり、哲学がみえる。選ばれたモデルやインタビューに応じていたマルジェラ周囲の人をみていると、人とは内面の奥深さや知的センスや精神性がいかに大切か思い知らされるようであった。ファッションやあらゆる物事に対する思考について考えさせられると同時に、純粋に美しさに陶酔する心を大切にしたいとも思ったり。とても良かったのでパンフレットも買った。じっくり読んでまた勉強しよう。

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サマーフィルムは脚本がベタでしたけど、映像はとても美しくこれで本当に私の夏は終わりを告げました。ギリギリ夏の間に観に行けてよかった(絶対もう秋)。

スクリーンに映る少年のような少女像のまりちゃんは語弊を恐れず言うととても美しくて綺麗だった。相手の金子君も同様で印象に残った。ある意味青春群像劇、ある意味タイムトリップSF物語、ある意味ラブコメ。裏切りや期待外れなストーリーは一切無く、こんな風にキャラの濃い登場人物誰も取り溢さず皆仲良くできたら最高だなって、自分の青春時代を投影したくなる尊さがあった。性格趣味強みそれぞれ違う少女3人の仲の良さには特筆して輝かしいものがあった。

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休日に2本続けて映画を見るなんて私にしては珍しいことをした。映画を楽しめるようになりつつある。嬉しいやら時の流れを実感するやらである。文化を斜に構えず正面から咀嚼して自分の中に落とし込んでいきたいと、今はそんな気持ちがある。またいつかの休日映画館に行こう。

毎日36時間くらいあればいいのにと思う。そして伸びた分だけ知識を得られる時間となればいいのに。時間が足りずに毎日が過ぎていく。それでも与えられた平等な時間の中で一つずつ蓄えていくしかないのだ。無知な自分を恥じたり悔いる暇など無いのだ。